はじめに
お茶やコーヒーは、日々のリラックスタイムに欠かせない存在。
でも、その「ひと口」が歯の黄ばみ(ステイン)の原因になることもあります。見た目の印象に直結するからこそ、好きな飲み物は我慢せず、賢く付き合いたい。
本記事では着色しにくいお茶と、今日からできる予防テクをまとめてご紹介します。
歯のステインって何?
ステインは、飲食物に含まれる**ポリフェノール(タンニンなど)**が、歯の表面にある薄いタンパク質膜(ペリクル)に結びついて沈着していく現象。エナメル質の微細な凹凸に入り込むと、日常の歯みがきでは落ちにくくなります。
見た目の問題だけでなく、ザラつきが細菌の足場になりやすいため、口腔環境の悪化にもつながりがちです。
着色が起こりやすいタイミング
- 起床直後:唾液分泌が少なく、色素が付着しやすい状態。
- 食後すぐ:口内のpHが下がり、エナメル質が一時的に軟らかくなるため浸透しやすい。
- 長時間ちびちび飲み:接触時間が伸びるほど沈着しやすい。
個人差も大きく、唾液量・歯の表面の状態・口内環境などで同じ量を飲んでも差が出ます。
着色しやすいお茶の傾向
- 緑茶・煎茶:カテキンなどのタンニンが豊富。濃いめ・長時間抽出ほど沈着リスクが上がる。
- 紅茶:発酵で生成されるテアフラビン等の影響で着色力は強め。
- 烏龍茶:半発酵。緑茶と紅茶の中間的で、着色は中程度と考えると選びやすい。
- 抽出時間:長いほど色素濃度↑=沈着↑。まずは「短め抽出」を。
補足:紅茶にミルクを入れると、ミルクのたんぱく質(カゼイン)がポリフェノールと結びやすく、ステインが軽減するという報告があります。砂糖の有無は着色よりもむし歯リスクに関与。
着色しにくいお茶 5選!
1. 麦茶
大麦を焙煎した飲み物。タンニンが少なくノンカフェインで、就寝前や子どもにも向きます。砂糖を入れなければ、むし歯リスクを上げにくい水分補給としても優秀。
2. ほうじ茶
緑茶を高温焙煎。焙煎の過程で渋みが和らぎ、一般的な緑茶より着色リスクは低め。香ばしさも魅力。
3. ルイボスティー
ハーブティーの一種でカフェインゼロ。タンニンは紅茶より少なめで、相対的にステインがつきにくい傾向。自然な甘みで砂糖なしでも飲みやすい。
4. コーン茶
とうもろこしを焙煎。タンニンが少ないカテゴリーで、香ばしく食事にも合う。日常の常備茶に◎。
5. そば茶
そばの実を焙煎。香ばしく、タンニン少なめ。ポリフェノールの一種ルチンも含まれます。※そばアレルギーの方は要注意。
番外:カモミールなど淡色のハーブティーや白湯も、着色の観点では穏やかです。
好きなお茶を我慢しない!飲み方のコツ
- **抽出は“薄め・短め”**から:まずは30~60秒短縮。
- 一気飲みより“ダラダラ回避”:接触時間を減らす。
- アイスはストロー:歯面への接触を減らす(※熱い飲み物にストローはNG)。
- ミルクをプラス(特に紅茶):ステイン軽減の一手。
- 飲んだ後に水でひと口うがい:色素を洗い流す簡単ルーティン。
- 酸の後は30分待ってから歯みがき:酸で軟化したエナメル質を守るため。
- キシリトールガム:唾液分泌を促し、自浄作用を高める。
デイリーケアの正解は?
歯みがき剤の選び方
- フッ素配合(例:~1450ppmF)でエナメル質を強化。
- 強すぎる研磨は避ける:ザラつき除去は大事でも、ゴシゴシは禁物。
- “着色ケア”表示は日常使いしやすいが、歯ぐきが弱い・知覚過敏がある人は刺激感に注意。
NGケア例
- 重曹・レモン等の自己流ケア:歯面を傷つけたり、酸で溶かすのはリスク。
- 強圧ブラッシング:微細な傷がかえってステインを招くことも。
プロフェッショナルケアでリセット
- 定期クリーニング(3~6か月目安):家庭では落ちにくい沈着を安全に除去。歯面がつるっとして再着色もしにくく。
- ホワイトニング:
- オフィス:短期間でトーンアップ。
- ホーム:マイルドに、自分のペースで。
どちらも事前診断のうえで適応を確認しましょう。
個別アドバイスが効く理由
唾液量、歯並び、飲食の習慣…人それぞれ。歯科でのパーソナルプランは、ムダなく確実に成果へ。
まとめ
- ステインは色素×接触時間×口内環境の掛け合わせ。
- 日常の飲み物は、麦茶・ほうじ茶・ルイボス・コーン茶・そば茶など“淡色&タンニン少なめ”をベースに。
- 緑茶・紅茶・烏龍茶も飲み方次第でOK:薄め抽出、ミルク活用、飲後のうがい、アイスはストロー。
- 30分ルールとフッ素ケアで守り、定期クリーニングでリセット。
好きなお茶を楽しみながら、白い歯もちゃんとキープしていきましょう。


